【アメリカ】アップル、米国内で47兆円投資。2万人の新規雇用創出と経済活性化。社会にアピール
アップルは4月26日、米国内での事業に対し、今後5年間で4,300億米ドル(約47兆円)の投資と2万人の新規雇用を創出する計画を発表した。アップル等のIT大手に対しては、社会からの批判が高まるにようになっており、今回米国経済への恩恵を強調することで、社会からの理解と受容を狙うものとみられる。
今回の投資拡大は、ノースカロライナ州に建設する新たな事業所建設、他の事業所での雇用拡大、サプライヤーとの取引拡大によるもの。同社は2018年にすでに5年間で3,500億米ドル(約38兆円)投資を表明していたが、今回約20%増額した。同社は現在、米国での直接雇用や取引先、iOSでのアプリ開発事業者での雇用で270万人の雇用を創出しており、米国政府に過去5年間で450億米ドル(約4.9兆円)の法人税を納税してきたと強調した。
今回の投資では、ノースカロライナ州での事業所建設に10億米ドルを投入。エンジニアハブ拠点も設ける。これにより、機械学習、AI、ソフトウェア開発等の分野で3,000人以上の雇用を創出する。さらに事業所周辺のローリー・ダーラム地区に1億米ドル(約110億円)の学校・コミュニティ支援ファンドを設立。別途、80郡に対してェア、交通インフラ、通信インフラ、学校への投資に向け1.1億米ドル(約120億円)を拠出することも表明した。これらによる年間の州内経済効果は15億米ドル(約1,600億円)と見積もった。
また他の州でも、同社は全米で2023年までに2万人の雇用創出を実現することを2018年に掲げていたが、2026年までにさらに追加で2万人の雇用を創出する。カリフォルニア州では、サンディエゴでの事業所を拡大を中心に2026年までに8,000人を増員。コロラド州、テキサス州、マサチューセッツ州、ワシントン州、アイオワ州でも大幅に雇用を増やす。全米の事業所では、60ヶ所以上でLEED認証を取得。2020年には自社事業でのカーボンニュートラルを達成済みで、2030年までにバリューチェーン全体でのカーボンニュートラルを実現する。
サプライヤー影響でも、シリコン工学、5G、製造の分野で取引先での雇用拡大にも貢献する。同社は2017年に先端製造ファンドを50億米ドル(約5,500億円)規模で発足しており、すでに素材開発、レーザー技術開発、5G技術開発等の事業に投資を実行。また、iOSアプリ開発でも、2019年に米国だけで1,380億米ドル(約14兆円)の市場を形成しており、そのうち85%以上がサードパーティの開発会社によるもの。雇用創出効果は210万人にものぼると伝えた。
【参照ページ】Apple commits $430 billion in US investments over five years