【国際】アップル、216億円森林保護ファンド発足。ゴールドマン・サックスと国際環境NGO協働

米アップルは4月15日、国際環境NGOコンサーベーション・インターナショナル(CI)及び米ゴールドマン・サックスと協働し、二酸化炭素排出量削減に向けた森林保護プロジェクトを投資対象とするファンド「Restore Fund」を発足した。3者は森林保護に2億米ドル(約216億円)を投じ、二酸化炭素を年間100万t削減する。

アップルは2020年7月、2030年までにバリューチェーン全体での二酸化炭素ネット排出量ゼロ(カーボンニュートラル)達成を目標として発表。2030年までに二酸化炭素排出量を75%削減し、残りの25%分については、二酸化炭素除去ソリューションを新たに開発していく方針とともに、ファンドを創設することもすでに表明していた。

【参考】【国際】アップル、2030年までにバリューチェーン全体でカーボンニュートラル達成と宣言(2020年7月22日)

研究者らによると、熱帯雨林は人類が過去30年間で排出した量以上の二酸化炭素を吸収しているという。今回のパートナーシップでは、事業収益性がある形で、自然からの二酸化炭素吸収量の拡大を狙う。

3者は、森林の二酸化炭素貯蔵量を正確に定量把握するため、国際的なカーボンオフセット基準管理団体米Verraや国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)、気候変動枠組条約が開発した国際基準を活用。生物多様性を改善するワーキング・フォレストへの投資を優先する。

アップルは過去3年間、包装での100%責任ある繊維調達を継続。2018年には、アップル、CI、地域政府、コロンビアの森林保護団体の4者で、同国マングローブ林109km2を保護した。マングローブは、通常の森林や土地の10倍の二酸化炭素を吸収でき、同地域の生活環境の保護にも寄与する。

またアップルとCIは、ケニアの地域政府とも協働。同国チユル・ヒルズの劣化サバンナでの森林保全活動を実施している。消費者の購買行動では、アップルペイでの支払いの度に、CIの環境保全アクションへ寄付を行うキャンペーンを展開している。

包装については、同社は2017年から、バージン木材での100%責任ある木材調達を実現。2016年には、責任ある調達を行った木質繊維が大半を占める包装をiPhoneで開始し、最新商品「iPhone12」の包装では93%が木質繊維由来の素材で構成されている。スクリーン保護フィルムでも、今回始めてプラスチック素材から切り替えた。

同社は、The Conservation Fundや世界自然保護基金(WWF)と協働し、責任ある木材繊維生産も支援。2015年から、米国と中国のワーキング・フォレスト4046km2の管理改善を行った。

【参照ページ】Apple and partners launch first-ever $200 million Restore Fund to accelerate natural solutions to climate change
【画像】Apple

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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