【フランス】ルノー、2030年までにEV比率を最大90%。ハイブリッドを目標から外す

自動車世界大手仏ルノーは6月30日、電気自動車(EV)を柱とする戦略を大々的に掲げた。2030年には「ルノー」ブランドの車種で最大90%がEVになるとの方針を示した。2025年時点では、電気自動車と電動車の双方で65%以上との中間指標も発表した。ルノーの以前の目標2030年までにEVとハイブリッド車(HV)で90%としていたが、HVを目標から除外した。

同社は6月9日、フランス北部にEVの開発・生産拠点「ElectriCity」を建設することを発表。2025年までに40万台の生産体制と、サプライヤーとの協働体制を整備すると発表。2021年にドゥエー工場を、2023年にモブージェ工場を、将来的にはリュイッツ工場の3拠点をEV生産に移行することで、フランス北部に一大EV拠点に仕上げる。

さらに6月29日、EVバッテリー生産で、中国バッテリー大手の遠景能源(エンビジョン)の子会社エンビジョンAESCと戦略的パートナーシップを締結。仏ドゥエーにギガファクトリーを建設し、2024年から最先端工場を稼働させることも明らかにした。AESC(オートモーティブエナジーサプライ)は、2007年にNEC、日産自動車、NECトーキンの3社のバッテリー部門を集約し設立。その後、2018年にエンビジョンが買収し、傘下に収めた。

EVバッテリーでは、他にもフランス・スタートアップVerkorとの共同開発も発表。また、2030年にまでにEVバッテリーセルの標準モデルを開発し、コストを60%削減する考え。加えて、Eパワートレインの小型化で、コストを30%減、無駄なエネルギーを45%減、さらに航続距離を20km伸ばす。

【参考】【フランス】ルノー、EVバッテリーのリサイクルでヴェオリアとソルベイとの提携強化。EV車種も続々(2021年3月29日)

EV車種に関しては、新たに10車種を開発する。主力となる「ルノー5」は、現在の「ZOE(ゾエ)」よりコストを33%削減した状態で投入。もう一つの主力「4ever」も矢継ぎ早に市場投入する。Cセグメントの車種でも2022年に新型「MéganE」を投入する。

また、EV購入者には、Mibilizeと協働し、バッテリーからの売電サービスも展開。年間で最大400ユーロの収益を想定し、使用済みバッテリーの残存価値も500ユーロ程度にまで引き上げる。

【参照ページ】RENAULT EWAYS ELECTROPOP: A HISTORIC ACCELERATION OF RENAULT GROUP’S EV STRATEGY TO OFFER COMPETITIVE, SUSTAINABLE & POPULAR ELECTRIC VEHICLES
【参照ページ】RENAULT ELECTRICITY, THE NEW LEADING SITE FOR INDUSTRIAL EV EXCELLENCE LOCATED IN THE HAUTS-DE-FRANCE
【参照ページ】RENAULT GROUP PLACES FRANCE AT THE HEART OF ITS INDUSTRIAL STRATEGY FOR EV BATTERIES

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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