• ホーム
  • NEWS
  • ニュース
  • 【日本】2020年の早期退職募集上場企業は91社。2021年にもすでに18社。コロナ関連倒産は842件

【日本】2020年の早期退職募集上場企業は91社。2021年にもすでに18社。コロナ関連倒産は842件

 新型コロナウイルス・パンデミックと行動抑制による経済打撃により、2020年に早期・希望退職を募集した上場企業は91社に達したことがわかった。募集対象者は約1万7,700人。2021年に募集を実施する企業も18社以上。募集人数もすでに約3,300人に達した。

今回のデータは東京商工リサーチの調査によるもの。リーマン・ショック直後の2009年には早期・希望退職は191社、募集対象者は2万2,950人。パンデミックの影響はこれに迫るものとなっている。

雇用対策では、日本政府は雇用調整助成金の特例措置を4月から開始しており、4月から11月までの期間で、雇用調整助成金の計上または申請をした上場企業は599社。これは全上場企業全上場企業3,826社の15.6%に相当する。雇用調整助成金の計上額は合計2,414億5,420万円。業種毎の申請実施割合では、小売業が33.9%でトップ。運送業33.0%、サービス業21.9%それに続く。

11月の有効求人倍率は、全国で1.06倍。埼玉、東京、神奈川、大阪、沖縄等では1倍を切っている。

負債1,000万円以上のコロナ禍の関連倒産(弁護士一任・準備中含む)は、2月からの累計で842件。月別では、6月の103件が最多。7月と8月はやや少なくなったが、9月から11月までは再び100件を上回った。業種別では、飲食業が141件、アパレル82件、建設67件、宿泊60件。従業員数別では、従業員50名以上の倒産は8月以降、月間2件以下の発生にとどまっており、ほとんどが小規模事業者の倒産。

一方、法的整理や私的整理ではない自主的な休廃業・解散は、1月から10月までの集計で、2019年の36,036件から2020年には43,802件に増加しており、調査を開始した2000年以降で最多だった2018年(4万6,724件)を上回る見通し。

百貨店の閉店も多発した。1月には、山形県の老舗・大沼が破産。3月には愛知県のほの国百貨店が閉店、特別清算。その他、新潟三越、そごう・西武の地方4店舗、福島県の老舗・中合等10店舗の閉店が集中した。

金融機関による貸出動向でも、都市銀行からの貸出しは、貸出平均残高の前年同期比変化率が、パンデミック前の2%前後水準から、4月以降は7%前後水準に急増。地方銀行と第二地方銀行でも2%強の水準から5%強の水準に上がった。信用金庫ではさらに高く、パンデミック前の1%から7月以降は7%から8%水準で推移している。

日本銀行は11月10日、地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に対し、地域金融強化のための特別当座預金制度を導入。地域経済を支えながら経営基盤強化に取り組んだ金融機関に対し、当該地域金融機関が保有する日銀当座預金に上乗せ金利(年+0.1%)を支払う制度を2022年までの時限措置として発動している。地方でも、融資で当座の資金繰りを凌ぐギリギリの状況が続いている。

【参照ページ】上場企業「雇用調整助成金」調査
【参照ページ】来年に早期・希望退職実施予定がすでに18社、リーマン・ショック超えの水準
【参照ページ】「新型コロナウイルス」関連破たん【12月28日16:00 現在】
【参照ページ】貸出・預金動向 速報(2020年11月)
【参照ページ】地域金融強化のための特別当座預金制度

関連記事

SHARE