【国際】国連機関、英政府、国際NGO等40機関、地域主導の気候変動適応原則に賛同。新たな格差防止
国際機関、政府、企業、NGOの合計約40機関は1月25日、気候変動適応サミットの場で、各地域が主体的に主導する気候変動適応を重視する原則「地域主導適応原則」に賛同した。中央集権型の政策が歴史的に社会的に排除される層を創り出してきたことに鑑み、気候変動適応に関わる全てのステークホルダーに対し、重要な原則を提示した。
今回の地域主導適応原則は、世界資源研究所(WRI)、国際環境開発研究所(IIED)、国際気候変動開発センター(ICCCAD)が約5年間をかけて進めてきた調査・研究の集大成。策定強力に応じた機関は50以上に及ぶ。
示された原則は、全部で8原則で構成されている。
- できる限り最も下部のレベルで気候変動適応計画を意思決定
- 女性、若者、子供、障害者、国内避難民、先住民族、周辺に追いやられたエスニック集団が直面している構造的不平等に対処
- 資金にアクセスしやすいよう腰を据えた予測可能な資金支援
- 後世に組織ナレッジを残すための地域のキャパシティ開発への投資
- 気候変動リスクと不確実性に関する堅固な理解
- 柔軟なプログラミングと学習
- 透明性と説明責任の確保
- 協働アクション・協働投資
今回の発表の文書では、各原則の実践方法についても詳述している。特に発展途上国において、社会的弱者の声をしっかり吸い上げる形で、取り残さない適応プログラムを実施することを求めている。
今回の原則を採択した賛同は、WRI、IIED、ICCCAD、英外務・英連邦・開発省、アイルランド外務省のアイルランド・エイド、国連開発計画(UNDP)、地球環境ファシリティ(GEF)、気候投資基金(CIF)、適応ファンド、国連資本開発基金(UNCDF)、国際赤十字赤新月社連盟(IFRC)、世界自然保護基金(WWF)インターナショナル、ウォーターエイド、オックスファム、地球市民社会の防災ネットワーク(GNDR)、セーブ・ザ・チルドレン、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのグランサム気候変動および環境研究所、BRACインターナショナル、チューリッヒ保険、Huairou Commission等。
【参照ページ】RELEASE: 40 Governments and Leading Institutions Commit to Support Locally Led Climate Adaptation
【原則】Principles for locally led adaptation