【日本】環境省、「インパクトファイナンスの基本的考え方」発表。定義や手法要件を提示

環境省は7月15日、同省の「ESG金融ハイレベル・パネル」に設置された「ポジティブインパクトファイナンスタスクフォース」がとりまとめた「インパクトファイナンスの基本的考え方」を発表した。国際的なガイドラインやプロジェクトとの整合性にも配慮した。

同タスクフォースは、パリ協定と国連持続可能な開発目標(SDGs)が目指す脱炭素社会への移行、持続可能な社会・経済づくりに向け、機関投資家や大手金融機関向けに、ポジティブインパクトを生むことを意図する金融の普及に向けた基本的な考え方や、環境を起点とするインパクト評価ガイドなどインパクト評価の在り方について検討を行っている。

今回発表されたドキュメントは、同タスクフォースとしての初回の成果物。インパクトファイナンスのあり方について、義務ガイドラインではなく、任意の参考情報として考え方を整理した。今年度中には「グリーンインパクト評価ガイド」の発行も予定している。2021年度以降は、普及のための検討や、中長期的には、ソーシャルインパクトの分野との連携を目指すとしている。但し、地域金融機関・個人投資家向けのインパクトファイナンス分野については、同タスクフォースの検討内容外と位置づけている。

今回のドキュメントでは、機関投資家や大手金融機関の投融資を対象としていることから、インパクトファイナンスを「中長期的な視点に基づき、個々の金融機関/投資家にとって適切なリスク・リターンを確保しようとするもの」に限定。いわゆる財団型の市場同等以上のリスク調整後リターンを求めないものはスコープ外とした。

また、その上で、インパクトファイナンスが通常のESG投資とは異なる特徴として、「インパクトの評価及びモニタリングを行うもの」「インパクトの評価結果及びモニタリング結果の情報開示を行うもの」とインパクトの評価・測定・開示があることを前提とした。さらに、「環境、社会、経済のいずれの側面においても重大なネガティブインパクトを適切に緩和・管理することを前提に、少なくとも一つの側面においてポジティブなインパクトを生み出す意図を持つもの」も要件とし、ネガティブインパクトを緩和した上での、ポジティブインパクトの追求を条件とした。

インパクトファイナンスの手法では、株式投資からプロジェクトファナンスまで非常に多岐に渡るとし、債券投資やコーポレートファイナンスでも普及してきたグリーンボンド原則、ソーシャルボンド原則、グリーンローン原則等も、その一部とした。

インパクトの評価では、当該ファイナンスが影響を与える主要なインパクト分野を特定(コア・インパクトと命名)し、可能な限り、測定可能な KPI と数値目標を設定し、定量的に評価することを要件とした。また、推奨の考え方として、ポジティブインパクトの有無やネガティブインパクトの緩和・管理状況等により、「ポジティブインパクト」「ポジティブインパクトトランジション」「ポジティブインパクトに該当しない」の3段階に分類するという方向性も提示した。

【参照ページ】「インパクトファイナンスの基本的考え方」について

Sustainable Japanの記事をもっと読みたい方はこちらから※一部、有料会員記事もございます。

関連記事