【Sustainable Japan】欧州委、海洋ガバナンスに関する2019年版コミットメント発表。5.4億ユーロ拠出
欧州委員会は10月24日、ノルウェーで開催されたOur Oceanカンファレンスで、海洋ガバナンスに関する2019年版コミットメントを発表した。同コミットメントの総予算は、約5億4,000万ユーロに相当。国連持続可能な開発目標(SDGs)の目標14「海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する」に基づくもの。EUは同カンファレンスが開始した2014年以来、77のコミットメントを実施し、すでに全体の約80%を達成済み。
さらに今回、EUはこれまでの100億ユーロ以上に相当するコミットメントの進捗を追跡するマップツール「The Ocean Tracker」を併せて発表。同ツールでは、どの政府や企業、NGO、個人がコミットしているかを可視化することができる。
現状のコミットメントの進捗状況は以下の通り。
海洋研究の支援
EUの研究とイノベーションプログラム「Horizon 2020」の下、持続可能な漁業、海洋汚染対策、輸送の脱炭素化、海洋の再生可能エネルギー活用促進に向けて2億5,000万ユーロを投入。理解の深化と新技術の開発に活用されている。
海洋汚染対策
船舶は、EU寄港時に廃棄物量に応じて課金される。欧州委員会は、同取り組みを「グリーンシッピング」として促進しており、負担額軽減のため、自主的な廃棄物削減に繋がると見込む。
海洋経済とイノベーションの促進
欧州の持続可能な海洋経済のさらなる促進に向け1億ユーロ以上を拠出。二酸化炭素排出量の削減、サーキュラーエコノミーの強化、生態系の保全に寄与する企業へ投資する。
より大きな成果に向けた世界中の協力
持続可能な海洋経済や海洋ガバナンスに向け、海外での前進を促進する。EUはOur Oceanカンファレンスで、アフリカやカリブ海、太平洋の国々とのパートナーシップを締結。持続可能な漁業と養殖バリューチェーンの支援に4,000万ユーロを拠出する。
気候変動の理解と適応
EUは気候変動による北極と南極への影響を理解するため、海氷と寒冷圏の気候モニタリングを行う「コペルニクスプログラム」に1,280万ユーロを投入する。また、フランスが主導する生物多様性、気候変動、レジリエンスに関するイニシアティブに990万ユーロを拠出。太平洋地域19州における気候変動等の影響への適応、保護、強化を行う。
【参照ページ】EU makes 22 new commitments for clean, healthy and safe oceans and launches The Ocean Tracker
Sustainable Japanの記事をもっと読みたい方はこちらから