【国際】小売・流通OMO提携相次ぐ。グーグル・アルバートソン、楽天・ウォルマート・テンセント・郵政、JA・伊藤忠
IT世界大手米グーグルと米食品小売大手アルバートソンは3月30日、グーグルのGoogle検索、Google Pay、AIテクノロジー等と、アルバートソンの小売事業を結びつけるOMOで、複数年のパートナーシップを発表した。両社は2020年から協働を作業を開始。今回一定の成果を収めたことで、本格的な提携を開始する。
アルバートソンは、2,253店舗を展開しており、米国第2位。今回の提携は、CX(カスタマー・エクスペリエンス)に重点をおいたもの。Googleマップを活用した超ローカル機能のショッピングマップ、AIを活用した対話型ショッピング、予測機能を活用した食料品購入リスト作成等を導入する。また、ネットスーパー事業も共同開発する。
流通・小売の分野では、最近、業界の垣根を超えた連携が相次いで誕生している。日本では3月1日に、米ウォルマートが100%保有していた西友株式のうち85%の売却を決定。プライベートエクイティ大手KKRが「アジア・プライベート・エクイティ・ファンド」を通して65%を、楽天子会社の楽天DXソリューションが20%を保有した。さらに、ウォルマートは楽天に166億円を出資し、株式0.9%を保有した。3社連合の柱もOMO。さらに楽天は3月12日、日本郵政から1,500億円の出資を受入れ、楽天の第三者割当増資で、日本郵政が楽天株式の8.32%を所有することで合意した。さらに中国テンセント100%子会社のImage Frame Investmentも楽天に657億円出資し、株式3.65%を取得した。
他にも、3月16日には、伊藤忠商事、ファミリーマート、農林中央金庫、農業協同組合連合会(JA全農)の4者での業務提携を発表。伊藤忠商事と農林中央金庫及び全農は2020年7月に基本契約を締結していたが、今回さらにファミリーマートを加えた形での業務提携を完成させた。同提携では、ファミリーマートの株式のうち、農林中央金庫が4.04%、JA全農が0.86%を所有し、JAグループ全体で合計4.9%の大株主となった。伊藤忠商事とJAグループは、同提携を機に、店舗開発、商品開発、国産農畜産物販売、金融・情報・デジタル、輸出促進の各分野で連携を図るという。
【参照ページ】Albertsons Companies and Google Partner to Reinvent the Future of Grocery Shopping
【参照ページ】Walmart Investment to Accelerate Growth of Rakuten’s Global Ecosystem
【参照ページ】KKRと楽天、ウォルマートから西友株式取得完了
【参照ページ】日本郵政グループと楽天グループ、資本・業務提携に合意
【参照ページ】伊藤忠商事・ファミリーマート・農中・全農での資本・業務提携について