【台湾】史上最大の雨不足危機。苗栗県、台中県、彰化県北部地区では強制節水開始
台湾経済部は3月20日、台湾では2021年に史上最悪の雨不足に陥っていると発表。貯水池の水位の低下により沈泥と砂が露出。今後の水不足に備え、大規模な浚渫工事を開始した。しかし、その後も雨不足は続き、経済部は3月24日、苗栗県、台中県、彰化県北部地区ではすでに危機レベル「オレンジ」が発令されている。4月6日からは、非常事態を示す「赤信号」を発令し、15%の節水を実施することを決めた。
台湾経済部は、水不足を解消するため、数回に渡り、人工降雨のための装置を発動しているが、効果はあまり出ていない。浚渫工事では、台湾軍も動員しており、将来の対策にも躍起になっている。昨年から今年にかけては、例年の約3倍の浚渫工事を実施している。
台湾では、2015年に桃園地区と板新地区で、水不足を示す赤信号が発令されたが、今回の水不足はそれ以上に深刻という。現任は2020年の降水量の激減で、台風の上陸もゼロだった。台湾政府は2020年7月の時点で迅速に対応を始め、これまでに8億tの水確保を実現。さらに今でも一日当たり78tの水源を拡大している。そのため、現在は水供給は安定しているものの、今後の水不足に備え、先んじて節水対策を決めた。
現在、苗栗県と台中県の周辺の永和山、鯉魚潭、徳基の各貯水池の水位は15%未満にまで下がっており、今も減少を続けている。そのため、苗栗県と台中県では、工業用水の節水量を11%から13%にまで引き上げており、4月6日からはさらに15%の節水を導入する。
台中県には、台湾セミコンダクター(TSMC)とマイクロン・テクノロジーの半導体工場がある。現在、経済部は、両社の業務に影響を与えるレベルではないことを強調した。TSMCは、リスク対策として、タンクローリーから使用する水量を増やす計画を進めている。
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