【国際】BASF、素材リサイクル、農業と鉱物でのサステナビリティで次々と先手。世界をリード
化学世界大手独BASFは6月21日、同社ポリエチレンおよびポリアミド6製の多層フィルムのリサイクル性を独研究機関Institut cyclos-HTPが認定したと発表した。同製品が、ポリエチレンの標準リサイクルフロー上でリサイクルできることが確認された。
今回のリサイクル性検証は、同社ポリアミド6含有率を最大30%までで実施。独包装・容器リサイクル性基準「German Central Packaging Registry」の最低基準を満たした形。元の包装・容器フィルム上で、ポリアミド6含有率が最大30%までの場合、そしてポリアミド6含有フィルム構造で相溶化剤を使用する場合、100%リサイクル可能という。
また同社は6月17日、エチオピア・アムハラ地域に、同社初のハイテク温室と野菜種子栽培工場を設立すると発表した。同地域は、年間を通してピーマン、トマト、キュウリの栽培に適した気候。
規模は、ハイテク温室で2万m2、種子製造工場で13万m2。すでに正社員70名が勤務しており、同地域周辺から今後、季節労働者100人を採用するという。同施設は、BASFの健康・安全性・環境基準および同国のサステナビリティ要件に準拠。ビニールハウスの電力には再生可能エネルギーを活用。排水は処理設備を併設し、施設内でリサイクルする。
さらに同社は6月8日、自動車世界大手独ダイムラー、フォルクスワーゲン、蘭スマートフォン製造フェアフォンとともに、チリ・アタカマ塩原での天然資源管理イニシアチブ「責任あるリチウム・パートナーシップ」を発足した。活動期間は、2年半を予定している。
リチウムは電気自動車(EV)への移行やデジタル化を受け、需要が拡大しているが、リチウム採掘での環境インパクトやリスクに関する合意がない。そのため世界最大のリチウム埋蔵量を誇る同地域は、生態系や現地住民の生活の脆弱性が懸念されている。
BASF、ダイムラー、フォルクスワーゲン、フェアフォンの4社は、同地域の先住民、NGO、政府機関、採掘企業等が活用するマルチステークホルダープラットフォームの開発を、ドイツ国際協力公社(GIZ)に委託。同地域の流域の現状に対する共通理解と、将来ビジョン策定を行う。また長期の統合天然資源管理に向けたアクションプランを策定し、利用可能なデータの検証とアップデート、アクセシビリティを改善する。
【参照ページ】Institute cyclos-HTP certifies the recyclability of multilayer films with polyamide 6
【参照ページ】First vegetable seeds grown in BASF’s new state-of-the-art production facility in Ethiopia enter the global market
【参照ページ】Companies start partnership for sustainable Lithium mining in Chile
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