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【中国】全人代、中国反外国制裁法を可決。国務院が対象リスト作成。ビザ停止、資産凍結、取引禁止等
中国の第13回全国人民会議常任委員会の第29回会議は6月10日、「中国反外国制裁法案」を可決。習近平国家主席が同法に署名し、同法が成立した。即日施行された。4月に法案を検討してからわずか2か月でのスピード成立。欧米で高まる対中国制裁措置に対する対抗制裁制度を確立した。
中国反外国制裁法は、一部の西側諸国が課す「一方的な制裁」に反撃するための法律と説明。主権と領土の完全性、相互不可侵、内政非干渉、平等と相互利益、平和的な共存の5つの原則は、国際システムを保護するための重要原則とし、これらを脅かす西欧諸国に対抗するものと意義を説明した。「覇権主義と権力政治に反対」し、国連を核とし、国際法に基づく国際秩序を確立するための制度というロジックとった。
同法の内容では、外国が国際法および国際関係の基本規範に違反した場合に対抗措置を講じることができるとし、具体的には、査証(ビザ)発給停止・取消、入国拒否、国外退去、資産の押収・凍結、中国国内の機関や個人との取引・協力関係禁止または制限。また「その他必要措置」も打ち出せるようにした。
制裁の対象者選定では、国務院の関連部門が、対象者リストを決定する権限を持つ。制裁は、リスト対象者の配偶者と直系親族、リスト対象者の運営機関、リスト対象機関の幹部、リスト対象機関の幹部が運営している機関が対象となる。リスト入り解除の権限も国務院もしくは外交部が持つ。
【参照ページ】中华人民共和国反外国制裁法
【参照ページ】全国人大常委会法工委负责人就反外国制裁法答记者问
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