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【国際】バイエル、IFPRI、ETH、大量生産型農業の生物多様性影響特定とイノベーションで提携
化学世界大手独バイエル、国際食糧政策研究所(IFPRI)、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH)は5月17日、農業がもたらす生物多様性への影響を低減するため、新しいソリューションを開発・実装する研究パートナーシップを発表した。世界全体を研究対象とする同様のパートナーシップでは今回が世界初。特に米国中西部での小麦、トウモロコシ、大豆等の大規模農園に焦点を当てる。
農地は世界の陸地面積の40%を占める。生物多様性の喪失は、過去数十年で驚くほど増加しており、農業では、土地利用変化、森林破壊、気候変動、一部の作付慣行、汚染が関与している。今回のパートナーシップでは、自然環境を保護し、農業が環境に与える影響を軽減しながら、人口増加に対応した食料生産量増を目指す。特に、農家の栽培方法を再考し、生物多様性を回復させるための、新しいテクノロジーとイノベーションの開発、新しいビジネスモデルの開発等を行う。
パートナーシップの第1段階としては、6つのアクションを定めた。
- 農家を巻き込み、科学的発見を実践する能力を検証
- 農業慣行が環境サステナビリティに与える影響するや、生物多様性にプラスの農業慣行のコストとハードルを測るするためのフレームワークの開発
- 提案された解決策の利点とトレードオフを、環境保全、農学、農家の受容性の観点から確認
- 生息地保全対策を可能にするイノベーションの探索
- 作物生産の空間分布とパターンを評価し、大量生産型の農業のホットスポット(多数の絶滅寸前の種が発見される自然環境)を特定
- 農家、政府、その他の関連機関が容易に利用できる資料の作成
同パートナーシップでは、米アイオワ州立大学、ブラジルのサンパウロ大学、仏INRA、独ZALF (ドイツ) の4研究機関も参画。米メリーランド大学と豪クイーンズランド大学も、科学パートナーとして協働する。
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