Sustainable Japan特別提供記事
【国際】国連世界食料安全保障委員会、食料システム・栄養に関する自主的ガイドラインを採択
国連の世界食料安全保障委員会(CFS)は2月11日、加盟国会議を開催し、政府機関が遵守すべき、初の「食料システム・栄養に関する自主的ガイドライン(VGFSyN)」を策定した。全ての形態の飢餓や栄養不足をゼロにするために努力する。CFSの事務局は国連食糧農業機関(FAO)が務めている。
CFSの加盟機関は、日本、米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ、中国、韓国、ロシアや発展途上国等約130ヶ国。策定したガイドラインは、農業・食料システムでも課題を包括的に対象とし、構造的な問題に対処するための原則を打ち立てた。内容では、経済、社会、環境の3つの側面からのサステナビリティも盛り込んだ。
同ガイドラインは作成に当たり、6つの原則を重視。具体的には、「システミック、業界横断、科学的、エビデンスベースのアプローチ」「一貫性があり、調整され、コンテキストを特定した包括的なポリシー」「説明責任、透明性、参画」「人類の健康と繁栄、健全な環境」「ジェンダー平等、女性エンパワーメント」「若者エンパワーメントとエンゲージメント」に準拠した。
その上で、ガイドラインとして、7つを掲げた。また各々の7つについては詳細規定も定められている。
- 透明性のある民主的で説明責任のあるガバナンス
- 経済、社会、環境のサステナビリティと気候変動の文脈に則した健康的な常食を達成するための持続可能なフードサプライチェーン
- 持続可能な食料システムを通じた健康的な常食への平等で公正なアクセス
- 持続可能な食料システムの食品安全性
- 人間中心的な栄養知識学習と情報
- 食料システムを通じたジェンダー平等と女性エンパワーメント
- 人道文脈でのレジリエントな食料システム
また今回の発表では、同ガイドラインを実施し、進捗状況をモニタリングするための勧告についてもとりまとめている。
【参照ページ】CFS Members endorse new Voluntary Guidelines on Food Systems and Nutrition