【国際】PRI等、薬剤耐性で投資家イニシアチブ発足。12機関加盟。医薬品、畜産でエンゲージメント

国連責任銀行原則(PRI)、医薬品アクセス財団、FAIRR、英保健省の4機関は11月23日、薬剤耐性(AMR)課題に関する機関投資家イニシアチブに機関投資家世界大手12機関が加盟したと発表した。運用資産の総額は6.7兆米ドル(約700兆円)。

薬剤耐性は、病原体が抗生物質等に耐性を持ってしまい治療が難しくなる問題。すでに毎年、薬剤耐性で70万人が死亡しているが、2050年までに年間死者数は1,000万人にまで増え、経済損失は100兆米ドル(約1京円)にまで増加すると予測されている。さらに新型コロナウイルス・パンデミックにより、抗生物質が処方される件数は急増しており、米国の病院では感染入院患者の最大84%に抗生物質が処方されている模様。

今回発足したイニシアチブは、「薬剤耐性に関する投資家アクション(Investor Action on AMR)」。加盟した機関投資家は、Aviva Investors、リーガル&ゼネラル・インベストメント・マネジメント(LGIM)、アムンディ、CDCグループ、ノーザン・トラスト・アセット・マネジメント、BMOグローバル・アセット・マネジメント、ノルデア・アセット・マネジメント、三井住友トラスト・アセットマネジメント。

同イニシアチブは、薬剤耐性を重要エンゲージメント課題と位置づけ、投資先企業に積極的にエンゲージメントしていく。また薬剤耐性に対応するため、ヒト疾病、動物疾病、生態系の3つを包括的に考慮する「ワン・ヘルス・アプローチ」を採用することを約束した。

FAIRRによると、世界の畜産・水産大手60社のうち70%は、薬剤耐性へのアクションがほとんど取られていないという。

【参照ページ】First investor partners named in joint initiative against ‘super-sized’ AMR threat
【イニシアチブ】Investor Action on Antimicrobial Resistance

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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