【アメリカ】J&J、人種マイノリティのヘルスケア促進に105億円投資。BMS財団もインクルージョン推進

医薬品世界大手米ジョンソン・エンド・ジョンソンは11月17日、アフリカ系米国人等の人種マイノリティ向けヘルスケア促進のため、今後5年間で1億米ドル(約105億円)を投じると発表。「健康なコミュニティ」「恒久的なアライアンス」「ダイバーシティ&インクルージョンを備えた企業文化」の3分野にコミットする。

健康なコミュニティについては、人種マイノリティの医療・科学専門家のプレゼンス向上のため、新たな奨学金、メンタリング制度等の非財務的支援を実施。地域のクリニックや、連邦政府承認の診療所(FQHC)と協働し、サービスの行き届いていないマイノリティが利用できるよう、技術強化とモバイルヘルスケアサービスを提供する。

また同社は多様な集団の臨床試験へのアクセスと参加を促すイニシアチブを推進。新型コロナウイルス検査の需要が高く、アクセスの困難な地域への医療の拡大のため、モバイルバンへの資金投入も行った。まずは、米デトロイトとニューオリンズから着手する。

さらに、米国6都市の地域コミュニティや企業、起業家と協働し、人種マイノリティへの潜在的ポジティブインパクトや拡張性のある持続可能なヘルスケアへの投資を行う。

恒久的なアライアンスについては、大学、医療機関、NGO、政府等と協働し、医療格差是正のための、経済・教育・社会プログラムの開発と拡大を促進。2021年からは、アフリカ系米国人の医療と科学関連キャリア支援のためのアライアンスやパートナーシップを開始する。

同社は、黒人インクルージョン推進Executive Leadership Councilと協働し、STEM・ビジネス・医療関連分野に関心のあるアフリカ系米国人学生に対し、大学の奨学金やその他リソースの提供も実施。今後5年間、医療格差の是正に加え、同社サプライチェーン上でのアフリカ系米・ヒスパニック系企業へのポジティブインパクト投資として、年間数億米ドルを投じるとした。気候変動による人種マイノリティへの影響も支援する。

ダイバーシティ&インクルージョンを備えた企業文化については、今後5年間で、米国管理職以上のアフリカ系米国人比率を50%成長させる目標を設定。人材へのアクセス、採用、育成の方法を最適化するため、人事プロセスを強化する他、意識と理解を高めるための文化的イマージョンプログラムを提供する。同社は、プログラム「Healthier Communities」「Enduring Alliances」に数百万米ドルを投資。今後も恒久的に人種的、社会的不平等の解決に取り組み続けるとした。

また、ダイバーシティ&インクルージョンについて、米製薬大手ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)の財団「ブリストル・マイヤーズ スクイブ財団」が11月17日、臨床試験のダイバーシティ改善のため、医学・医療専門の人種マイノリティ学生支援NGOナショナル・メディカル・フェローシップとパートナーシップを締結した。

同パートナーシップでは、ブリストル・マイヤーズ スクイブと同社財団が発表済みの1億米ドル(約105億円)を活用。臨床試験の実施範囲を医療サービスの行き届いていない都市部と農村部に拡大するプログラムを推進する。FDA集計データによると、米国人口に占めるアフリカ系米国人の割合は13%にも関わらず、臨床試験の参加者は約7%。臨床試験参加者の80%は白人だという。

同プログラムでは、人種的・民族的多様性にコミットする臨床研究者および過小評価されている有望なマイノリティ学生250人を育成。キャパシティ・ビルディングや臨床試験実施機関の立ち上げを支援する。

【参照ページ】Johnson & Johnson to Address Racial and Social Injustice Through Platform that Aims to Eliminate Health Inequities for People of Color
【参照ページ】The Bristol Myers Squibb Foundation and National Medical Fellowships Launch $100 Million Program to Help Increase Diversity and Inclusion in Clinical Trials

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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