【国際】FAO、広がる飢餓人口対策で「食糧連合」発足。世界4地域を飢餓高リスク地域と特定

国連食糧農業機関(FAO)は11月5日、新型コロナウイルス・パンデミックにより広がる飢餓に立ち向かうため、マルチステークホルダー型の国際イニシアチブ「食糧連合」を発足した。イタリア政府が提案し、すでに30ヶ国以上が参加意向を表明している。

新たな食糧連合では、国連持続可能な開発目標(SDGs)の目標1「貧困ゼロ」と目標2「飢餓ゼロ」を2030年までに達成することを目指す。世界では、2019年時点で期が人口は6億9,000万人と推定されるが、パンデミックで2020年には最大1億3,200万人増える可能性がある。食糧連合は、農業・食糧システムを変革し、飢餓・貧困への認知拡大、資金動員、技術支援、発展途上国でのイノベーション支援をイニシアチブの目的に据えた。

食糧連合は、政府、農業団体、企業、NGO、学術界等から幅広い参画機関を募っている。FAOが事務局を務める。

またFAOと国連世界食糧計画(WFP)は11月6日、世界中で急速に拡大している飢餓に対し警鐘を鳴らすレポートを共同で発表した。特に、サヘル地域のブルキナファソ、ナイジェリア北東部、南スーダン、イエメンを、飢饉に陥る可能性の高いホットスポットと特定した。これらの4地域では、紛争による人道問題が飢餓リスクを増幅させている。

新型コロナウイルス・パンデミックによる経済不況に加え、異常気象やサバクトビバッタのような国境を越えた脅威により、世界的に悪い状況にあるとした。「深刻な食糧不安の悪化のさらなるリスク」にある合計20ヶ国の状況を指摘している。

【参照ページ】FAO – News Article: FAO launches Food Coalition to lift food access, sustainable agri-food systems
【参照ページ】FAO – News Article: UN food agencies warn of rising levels of acute hunger with potential risk of famine in four hotspots

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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