Sustainable Japan特別提供記事
【国際】FAOとOIE、アフリカ豚熱の大流行で世界各国に対策協力要求。すでに700万頭殺処分
国連食糧農業機関(FAO)と国際獣疫事務局(OIE)は10月26日、世界全ての国に対し、アジアで流行しているアフリカ豚熱(ASF)の感染拡大阻止を要求する声明を発表。対策イニシアチブも発足させた。
アフリカ豚熱は、豚の致死率100%の感染症でワクチンも開発されていない。現在、アフリカ、アジア、欧州の50ヶ国以上で発症が見られ、勢いが衰える気配がないという。米州では侵入阻止の臨戦態勢が取られている。すでにアジア地域だけで700万頭以上の豚が殺処分された。人には感染しないが、経済的に大きな打撃を与えている。また、日本では豚コレラ(CSF)の感染が2018年以降頻繁に確認されているが、アフリカ豚熱とは異なるウイルスによる疾病で関連性はない。
FAOとOIEは今回、越境性動物感染症の防疫のための世界的枠組み(GF-TADs)に基づき、感染阻止イニシアチブ「Global Control of ASF Initiative」を史上初めて世界規模で発動。政府、企業、専門家等に協力を要求した。
しかし対策は容易ではない。アフリカ豚熱ウイルスは、豚肉製品の中でも長期間生存し続け、抑制や根絶が極めて難しいという。また野生のイノシシが感染すると、生態系の観点からも対策が難しくなる。また家畜の豚に感染すると、殺処分となるが、それにより畜産で生計を立てている市民には生活難も予想される。
【参照ページ】FAO and OIE kickstart global initiative to stop spread of deadly pig disease
Sustainable Japanの記事をもっと読みたい方はこちらから
※一部、有料会員記事もございます