【日本・中国】JPXと深圳証券取引所、ETFの相互上場で覚書。中国大手のインデックス除外は拡大
金融庁と中国証券監督管理委員会は1月26日、第2回日中資本市場フォーラムを開催。日本側からは、日本取引所グループ(JPX)、投資信託協会、日本証券業協会が、中国側からは中国証券業協会も参加した。
その中で、日本取引所グループと深圳証券取引所(SZSE)は、各々の市場に上場されている上場投資信託(ETF)を相手方に上場させ、相手方の投資家が投資できるようにする「日中ETFコネクティビティ」の構築で覚書を締結した。実現すると、双方の投資家にとって、投資機会が拡大する。中国側に日本企業に投資するチャネルを開くとともに、中国のETFの方が有望と映れば日本の投資家も日本ではなく中国への投資を拡大する可能性も十分にある。深圳証券取引所との接続は、香港に次いで日本が2ヶ国・地域目となる。
日中ETFコネクティビティを活用して設定されるETFは、運用資産の90%以上を当該相手方ETFに対して投資しなければならない。また、日中のアセットクラスを投資対象とする東京証券取引所又は中国の証券取引所に上場するETFのみが対象で、十分な流動性を有する銘柄に限定する。
また同日、日本取引所グループと上海証券取引所(SSE)は、2019年4月から開始している「日中ETFコネクティビティ」のさらなる発展でも合意した。
一方、中国の銘柄に関しては、米トランプ前大統領が在任中に署名した大統領令13959が1月11日に発効し、中国軍事関連企業への証券投資を禁止する動きが拡大。1月20日にバイデン政権に移行してからも、米財務省外国資産管理室(OFAC)からは新たなガイダンスが出ておらず、1月25日から中国企業の投資除外銘柄が拡大している。
【参考】【アメリカ】ニューヨーク証取、中国通信3社の上場廃止を決定。S&Pダウ・ジョーンズも指数除外決定(2021年1月7日)
まずMSCIは1月27日、中国広核電力(CGNパワー)、中国化学工程(CNCEC)、中国核能電力(CNNP)、中国船舶重工(CSIC)、浪潮国際(インスプール・インターナショナル)を、同社の主要グローバル株式インデックス「MSCI ACWI」から除外。MSCI ACWIは、多くのインデックスのユニバースとしても使われているため、広範なインデックスに影響が出る。
FTSEも1月26日、中国広核電力、中国核能電力、中国重工、浪潮国際、中化国際の5社をインデックス除外する方向で検討していることを明らかにした。日本経済新聞も1月26日、主要株価指数の日経アジア300から中国電信(チャイナ・テレコム)、中国聯通(チャイナ・ユニコム)、中国移動通信(チャイナ・モバイル)、中国海洋石油(CNOOC)、中国鉄建、中国中車、中国交通建設の7社のインデックス除外を発表している。
【参照ページ】第2回日中資本市場フォーラムの開催について
【参照ページ】日本取引所グループと上海証券取引所が「日中ETFコネクティビティ」の更なる発展に向けて覚書を締結
【参照ページ】日本取引所グループと深セン証券取引所が「日中ETFコネクティビティ」の構築等に関する覚書を締結