【アメリカ】CeresとBPI、通貨監督庁提案の気候変動ダイベストメント禁止規則案に撤回要求。民主党は撤回意向
米ESG投資分野アドボカシーNGOのCeresと金融業界ロビー活動団体BPIは1月4日、米財務省通貨監督庁(OCC)が11月に発表した銀行の気候変動ダイベストメントを禁止する法規制案に対し反対する意見を提出した。同規制案に対しては、民主党が多数派を形成する連邦下院の金融サービス委員会もOCCに対し取り下げを要求する文書を提出。1月21日にバイデン民主党政権が誕生すると、同規制案は撤回される可能性が高い。
OCCが発表した規制案は、「金融サービスへの公正なアクセス」という名前が付けられており、影響力の大きい金融機関大手に対し、投融資先の個別リスク判断ではなく、顧客カテゴリーや顧客クラスでの投融資禁止行為を禁止するという内容。1月4日がパブリックコメント提出の期限だった。
同規制案に対しては、発表当初から、金融機関が気候変動ポリシーとして石油・ガス業界へのダイベストメントを実施することを、連邦政府が封じ込めることを狙っているとの批判が相次いでいた。
Ceresは今回、OCCは事態を誤認しており、化石燃料ダイベストメントは、通常のリスクマネジメントの一環であり、同規制を導入すれば米国の経済制度と金融制度をリスクに晒すと警告した。BPIも、銀行の業務に介入するマイクロマネジメントの規制内容と反発し、撤回を求めた。
【参照ページ】Proposed Rule Would Ensure Fair Access to Bank Services, Capital, and Credit
【参照ページ】Fair Access to Financial Services
【参照ページ】Ceres opposes proposed OCC rule that would make the U.S. banking system more vulnerable to climate risk
【参照ページ】BPI Calls on OCC to Withdraw ‘Fair Access’ Proposal
【参照ページ】Waters and 22 Committee Democrats Urge OCC to Withdraw Proposal to Force Banks to Serve Gun Manufacturers and Fossil Fuel Companies