【ヨーロッパ】小売大手、生理用品の無償配布開始。Period Poverty問題への対策
英小売大手Lidlは5月3日、アイルランド国内で、アイルランドNGOのHomeless Period Irelandと協働し、生理用品の無料配布を開始した。新型コロナウイルス・パンデミックによる経済影響で、生理用品を購入できない女性が増えていることよる措置。全国規模での無料配布は同社が初。経済的な理由で生理用品が購入できない人々が増加している問題は最近、「Period Poverty」と呼ばれている。
Lidlの措置は、低所得者が対象となる。同社のスマートフォンアプリ「Lidl Plus」から毎月1回、生理用品を1箱無料で受け取れるクーポンを発行する。また、スマートフォンアプリを保有していない層にもクーポンが届くよう、NGOのSimon Communitiesに4半期毎に寄付し、同NGOを通じた無料配布を行う。
アイルランド政府の発表では、現在アイルランドにはPeriod Povertyリスクを抱える女性が53,000人から85,000人いる。アイルランド国会では、アイルランド厚生省が生理用品を無償配布する責任を持つ「Free Provision of Period Products Bill 2021」が審議されている。法案提出議員は、これにより女性の不平等を解消する効果となると意義を語った。
英国では、Period Poverty問題への対応のため、すでに大学や学校では、生理用品の無償配布が導入されていた。さらに地方レベルでは、英スコットランド政府が、全ての女性に生理用品へのアクセスを保証する責任を自治体に追わせる法律をを2020年11月に制定している。
Lidlは、女性サッカークラブのLadies Gaelic Football Associationのスポンサーでもあり、これまでも選手やクラブスタッフに対し、生理用品の無償配布を実施してきていた。
英国でも、小売大手モリソンズが、Lidlと同様のアクションを発表。店舗で店員に声をかければ、生理用品を無償で受け取れるようにした。
【参照ページ】Introducing our brand new Period Poverty Initiative offering free period products in partnership with Homeless Period Ireland
【参照ページ】Free Provision of Period Products Bill 2021: Second Stage