【イギリス】M&S、農場での養蜂で生物多様性強化。動物福祉監査を畜産に全面適用
英小売大手マークス&スペンサーは4月9日、自社ブランド「Select Farm」の契約農家を支援するための5年間のプログラム「Farming with Nature」の一環として、契約している英国農家のPRする広告宣伝キャンペーン「Fresh Market Update」を展開すると発表した。
Farming with Natureは、契約農家のレジリエンスを高めるため、気候変動、生物多様性、土壌健康、水消費という大きな環境課題についてサポートするプログラム。今回のアクションの一つとして、今夏、契約農家28ヶ所に、送粉者として3,000万匹のハチを放つ。それにより作物栽培を促進しながら、ハチの個体数の拡大につなげる。
ミツバチは、送粉者として同社食品の3分の1に貢献する重要な存在。より自然な環境での農業を促進する同社は、牧草地の減少でミツバチの生態系が脅かされていることを課題視し、生態系保護を進めている。
同社は、今回のキャンペーンに向け、テレビCMを73本を制作。キャンペーン期間に、消費者に対し、週替わりで提携農家の声を直接届ける。また店舗では、提携農家を紹介するフリーペーパーも提供。SNSでの配信も行う。
また同社は4月から、同社商品に対する英動物虐待防止協会(RSPCA)からの監査を拡大。全ての生卵、豚肉、養殖鮭、養殖鱒、オークハム・ゴールド・チキン、牛乳等を監査対象となることを決めた。RSPCAは、英国で唯一、農家の動物福祉に対する監査を純粋な目的とした監査を提供。専門家による年次査察や抜き打ち検査で、家畜の健康、食生活、環境が基準に適合しているかを確認する。同社は2017年、RSPCA監査済みの牛乳を販売した最初の小売。100%同監査済み牛乳を提供している小売は、現在でも同社のみという。