【アメリカ】CDC、ワクチン接種完了者は米国内渡航自由。マスク着用や密防止は必要
米疾病予防管理センター(CDC)は4月2日、新型コロナウイルス・パンデミックで、米食品医薬品局(FDA)認定のワクチン接種完了者は、米国内の渡航を自由にするとのガイダンスを発表した。渡航前後の検査や自己隔離等も不要となる。但し、マスク着用等の予防策は推奨する。
今回のガイダンスは、ワクチン接種完了者の感染及び感染拡大リスクは小さいと判断したことに伴う措置。ワクチン接種完了者の定義は、ファイザー及びモデルナ製等の2回摂取ワクチンを2回摂取してから2週間を経過した者、及びジョンソン・エンド・ジョンソン製等の1回摂取ワクチンを1回摂取してから2週間経過した者。また、過去3ヶ月以内に感染した人も同様の扱いとなる。
ワクチン接種完了者は、渡航前後の感染検査や自己隔離等は一切要求されない。但し、旅行中には、鼻と口を覆うマスクの着用を求める。空港、港湾、機内、船内、電車、バス内等も同様にマスク着用を求める。密を避けるため2m以上の間隔も空ける。頻繁なアルコール除菌も求める。
渡航後は、感染症状の自己確認を行い、症状がある場合は自主的に隔離措置をとる。また各州や各地方政府の指示には従う。
米国ではワクチン摂取を完了していない人には、渡航1日前から3日前の検査、渡航後の3日後から5日後に再び検査、及び7日間の自主自宅隔離を求めている。渡航後に検査を受けていない場合は渡航後の10日間自主隔離を推奨している。
米国では4月2日までに、ワクチン接種経験者が、1億180万4762人となり、世界で初めて1億人を突破。ワクチンの仕様に従い2回接種もしくは1回接種を完了した人でも、5,800万人となった。接種者の半数以上が65歳以上。
米連邦政府は、CDCのガイダンスも踏まえ、ワクチン接種完了者を証明する「ワクチン・パスポート」の発給も検討している。一方、米フロリダ州のロン・デサンティス知事は4月2日、「個人の自由」が制限されることを理由に、ワクチン接種を示す全ての公的文書の使用を禁じる行政命令を出した。
また、アストラゼネカ製ワクチンについては、血栓発生の指摘も出ているが、世界保健機関(WHO)は15日、血栓発生との因果関係を示す証拠はないとし、接種継続を各国政府に要請。EUの欧州医薬品庁(EMA)も3月19日、因果関係の証拠はないと否定したが、希少な奨励には継続調査を表明。そしてEMAは3月31日、希少な奨励との関連性も証拠はないと発表したが、可能性はゼロではないとした。
それでも、予防のため高齢者へのアストラゼネカ製ワクチンを一時停止している国は増えている。英国では、医薬品・医療製品規制庁(MHRA)が4月3日、同社製のワクチン接種者1,800万人以上に対し、希少な血栓症を発症したのは30人だったと発表。「効果は依然としてリスクを上回る」と接種継続を奨めている。