【日本】経産省、小売電力向けの1月インバランス料金支払いの9月分割払い特例を認可
経済産業省は3月19日、日本卸電力取引所(JEPX)が3月5日に確定した1月分のインバランス料金が異例の77.65円/kWhにまで高騰したことを受け、1月分のインバランス料金を最大9か月に分割して支払うことができる措置の実施を発表した。一般送配電事業者の託送供給等約款に関する特例措置として認可した。
【参考】【日本】エネ庁、1月のJEPX価格高騰で特定卸供給の広範な分割払いを導入。国会での責任追及受け(2021年2月14日)
今回の措置は、1月にJEPX(スポット市場)の月間平均価格が63.07円/kWhにまで高騰し、月間平均価格としては過去最高となったことを受けたもの。小売電力事業者は、JEPXを通じて電力を調達したり、特定卸売契約を結んでJEPXを通さずに電力を調達しているが、30分単位で需要分に一致する調達ができなかった場合に、大手電力会社が担う一般送配電事業者にペナルティとして「インバランス料金」を支払うことになっている。インバランス料金は、JEPXの価格と連動する価格設計になっているため、1月にはインバランス料金の価格も跳ね上がることがわかっていた。
3月5日にJEPXが発表した1月分のインバランス料金は、速報値の59.20円/kWhを大きく上回る77.65円/kWh。インバランスで徴収した金額は、一般送配電事業者の収入となる。経済産業省は今回、「速報値を前提として当面の資金繰りを検討していた小売電気事業者、ひいては需要家へ更なる影響も考えられるため、以下の追加の対応を行う」ことにしたという。
また同省は3月18日、一般送配電事業者10社からあった託送供給等約款の認可申請について、電気事業法の規定に基づき認可したことも発表している。これにより、上げDR促進のため、再エネ出力制御の可能性が公表された際に、需要家が自家発設備を停止し、系統からの電力購入に切り替えた場合でも、託送料金の基本料金が増加しない措置を講じたという。
【参照ページ】1月分のインバランス料金及び再生可能エネルギー電気卸供給に係る料金について、本年12月まで分割して支払うことができる特例認可を行いました
【参照ページ】電力会社の託送供給等約款の認可を行いました