【アメリカ】スターバックスやユニリーバ等、食品廃棄物のガス・肥料化で企業同盟結成。スコープ3削減
コーヒーチェーン世界大手米スターバックス、消費財世界大手英ユニリーバ、デイリー・ファーマーズ・オブ・アメリカ(DFA)の3社は12月9日、米食品廃棄物や家畜排泄物のリサイクルベンチャーVanguard Renewablesと協働で、企業同盟「Farm Powered Strategic Alliance(FPSA)」を発足した。生産過程やサプライチェーンで生まれる食品廃棄物をバイオガス化もしくは肥料化して資源リサイクルする。
Vanguard Renewablesは、食品廃棄物や家畜排泄物を嫌気性微生物を活用してガス化や肥料化する技術と大型プラントを持つ。FPSAに加盟した食品3社は、Vanguard Renewablesの技術を用いて、事業の活用する熱エネルギーを脱炭素化することにコミット。使用しているガスを、自社事業やサプライチェーンから生まれた食品廃棄物を活用した再生可能ガスに転換していく。食品廃棄物の埋立や焼却処分を減らすことで二酸化炭素排出量の削減にもつながる。米国では現在、食品廃棄物のうち40%が埋立や焼却処分されている。
Vanguard Renewablesによると、食品廃棄物の発生を抑制したとしても、健康、安全面、品質懸念の観点から、一定程度の食品廃棄物が発生することは避けられないという。また食品廃棄物には非可食のものもある。食品廃棄物の資源リサイクルは、欧州で先行して発展したが、Vanguard Renewablesは米国でも巨大産業にしていくことを狙い、全米各所で新プラントの建設を計画している。
今回結成の企業同盟では、今後5年間で、全米の主要都市にVanguard Renewablesのプラントを建設。今後、スコープ3排出量の削減手段として、他の食品企業にも参画を促していく。