【ミャンマー】キリン、合弁先の人権侵害調査でデロイトの情報不十分で結論出ず。英国ではボイコット運動に発展
キリンホールディングスは1月7日、同社のミャンマー子会社Myanmar Brewery Limited(MBL)とMandalay Brewery Limited(MDL)の合弁相手先であるミャンマー・エコノミック・ホールディングス(MEHL)の人権侵害に絡む財務デューデリジェンスの結果を発表。調査が十分に実施できなかったと伝えたことが、NGOからの大きな非難を集めている。
今回の事案では、2018年に人権NGOアムネスティ・インターナショナルが、MBLがロヒンギャに対する民族浄化が行われている最中に、ミャンマー軍と当局に献金をしていたことを直ちに調査すべきと国際的に発表。その後、2020年9月には、アムネスティ・インターナショナルからの質問票に対し、キリンホールディングスはMHELとの提携関係を見直していることを伝えていた。
【参考】【ミャンマー】キリン、合弁事業の配当支払停止。ロヒンギャ人権侵害の軍政関与の疑いで(2020年11月14日)
しかし同社は今回、調査を委託していたデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社が独立調査を行ったところ、「確たる判断に必要な情報をデロイトが十分に入手できなかったため、確定的な結論に至りませんでした」と表明した。2021年4月末までに改めて報告すると伝えた。
これを受け、人権NGOのBurma Campaign UKは、事案から2年が経過しても情報を十分に入手できなかったにもかかわらず、さらに目的を明らかにしないままさらに4ヶ月を必要としたことに強く反発。現在、キリンホールディングスに対する商品ボイコット運動を展開している。
また人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)も1月8日、同社に対し、調査報告書を公表するよう強く要求した。
【参照ページ】当社ミャンマー事業に関する進捗報告
【参照ページ】KIRIN’S RESPONSE TO PARTNERSHIP WITH BURMESE MILITARY DESCENDS INTO FARCE
【参照ページ】Boycott Kirin Ichiban! In Business with the Burmese Military
【参照ページ】ミャンマー:キリンは軍系企業と関係を断つべき