【アメリカ】トランプ大統領、中国共産党軍事企業の有価証券の売却も禁止。大統領令改正
米ドナルド・トランプ大統領は1月13日、「共産党中国軍事企業」と認定された企業の上場有価証券及び関連のデリバティブ商品の取引を制限する米大統領令13959を改正し、規制を強化した。これにより該当企業の有価証券保有者は身動きが取れなくなる可能性がある。
11月に署名された米大統領令13959は、米国防総省により「共産党中国軍事企業」と認定された企業の上場有価証券及び関連のデリバティブ商品に対し、米国の機関投資家及び個人投資家が購入または投資することを1月11日から禁止するという内容。但し純粋に売却する行為は許可している。また今後国防総省が同様の認定をした企業についてもリスト入りから60日後に同様のルールが発動されることを規定している。
【参考】【アメリカ】S&Pダウ・ジョーンズとナスダック、大統領令により中国企業数社をインデックス除外。債券でも(2020年12月14日)
【参考】【アメリカ】ニューヨーク証取、中国通信3社の上場廃止を決定。S&Pダウ・ジョーンズも指数除外決定(2021年1月7日)
今回の改正では、これまで許可してきた「共産党中国軍事企業」リストに記載されている企業の上場有価証券及びデリバティブの売却までも禁止した。その上で、同リストに記載されてから当該企業の上場有価証券及び関連デリバティブを1年後以降に保有することも禁止し、実質的に手放すことも命令した。但し売却も禁止されているため、どのように手放せばいいかは不明。改正の施行日は、記載されていないが、既発令の大統領令の改正のため、即日発効していると考えられる。
トランプ大統領は1月20日に大統領職を離れ、ジョー・バイデン新大統領が誕生することが決まっている。
【参照ページ】Executive Order on Amending Executive Order 13959–Addressing the Threat from Securities Investments that Finance Communist Chinese Military Companies
【参照ページ】Text of a Letter to the Speaker of the House of Representatives and the President of the Senate