【日本】政府、成長戦略実行計画決定。2040年までに洋上風力30GW。低炭素車への移行も
日本政府は12月1日、第5回成長戦略会議を開催し、今後の成長戦略の実行計画を決定した。成長戦略会議は、経済財政諮問会議が示す経済財政運営と改革の基本方針の下、成長戦略を具体化するための会議。前安倍政権で開催されていた日本経済再生本部と同本部が開催していた未来投資会議の機能を引き継いでいる。通常は官房長官が議長を務めるが、今回は菅義偉首相も出席した。
菅政権が初めてとりまとめた成長戦略実行計画の柱は3つ。まず、2050年カーボンニュートラルに向けたグリーン成長。そして企業のデジタル化。3つ目が、合併等の規模拡大による中小企業の競争力強化。いずれも税制も踏まえた政策を展開する。
グリーン成長では、水素、低炭素自動車、カーボンリサイクル、洋上風力発電、半導体やデータセンターのデジタル化による省エネ化を掲げた。いずれも既存の政策を踏まえたものとなったが、目新しい点としては、洋上風力発電は現状ほぼゼロGWの設備容量を2040年までに30GWにするとの目標を掲げた点。また、水素では、水素を造る装置、電気に変える装置、輸送する設備の3分野で世界ナンバーワンになるという。自動車については、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)の4つを推進対象とした。同計画には示されていないが、政府はこれら4タイプ以外のガソリン自動車とディーゼル自動車の新車販売を2035年頃に禁止する方向で調整しているという。
また農業分野では、前安倍政権時代の3月に、農林水産物・食品の輸出に関する関係閣僚会議で「2025年に輸出額2兆円、2030年に5兆円」とする目標を設定。「2020年に1兆円」の次の目標として2025年目標を新たに設定している。菅義偉首相は11月30日、第10回農林水産物・食品の輸出拡大のための輸入国規制への対応等に関する関係閣僚会議を開催し、日本の強みを最大限に活かす品目別の具体的目標を設定や、マーケットインの発想を強化していくこと等を柱とする「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」を決定した。
【参照ページ】成長戦略会議
【参照ページ】農林水産物・食品の輸出拡大のための輸入国規制への対応等に関する関係閣僚会議
【画像】首相官邸
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