【フランス】トタル、パリ市EV充電委託を落札で100%再エネ供給。LNG燃料供給船、CCUSにも注力
エネルギー世界大手仏トタルは11月18日、パリ市が公募していた電気自動車(EV)充電スタンド設置委託プロジェクトで、公道脇に設置する公共充電スタンドの10年間の管理権を落札したと発表した。スタンドを2,300台設置し、運営、電力提供を一括して担う。同プロジェクトによりパリ市内のスタンド数は53%増となる。
パリ市は、以前、電気自動車(EV)カーシェアリングサービス「オートリブ(Autolib’)」を運営していたが、巨大な赤字に陥り、2018年7月に終了。今回のプロジェクトでは、その際に設置された充電スタンドも最新化しつつ、地下駐車場に新設を計画するスタンドとともに全体を効率的に管理するという。新プロジェクト名は「ベリブ(Belib’)」。
トタルは、今回のEV充電スタンド増強と同時に、太陽光発電所の新設も増やしており、EV充電スタンドで提供する電力は100%再生可能エネルギーとなる。充電料金もEVドライバーの需要に適う魅力的な価格に設定すると宣言した。
また同社は11月16日、シンガポール子会社トタル・マリンフューエルズ・グローバル・ソリューションズ(TMFGS)が傭船したLNG燃料供給船「ガス・アジリティ」が、海運大手仏CMA CGM保有の世界最大のLNG燃料コンテナ船「CMA CGM Jacques Saadé」へのLNGバンカリングを11月13日に完了したと発表した。
ガス・アジリティは、商船三井の子会社エメラルド・グリーン・マリタイムが保有する世界最大のLNG燃料供給船。LNG燃料の供給は、24時間で完了する。供給するLNG燃料では、原産地保証(GO)証明書メカニズムを通じ、オランダ・スキポールで有機性都市ごみから生産したバイオメタンを約13%導入。二酸化炭素排出量を削減した。
同社は、LNG燃料は重油比で硫黄酸化物を99%、微粒子を99%、窒素酸化物を最大85%削減できると強調。また、従来型のLNG燃料船と比べても、二酸化炭素排出量を最大20%削減できるとした。
さらに同社は11月12日、アブダビ国営石油会社(ADNOC)とパートナーシップを締結し、炭素回収・利用・貯留(CCUS)の共同研究を行うとも発表。省エネや二酸化炭素排出量削減を推進する。
【参照ページ】ELECTRIC VEHICLES: TOTAL TO OPERATE 2,300 EV CHARGE POINTS OF THE BÉLIB’ NETWORK IN PARIS
【参照ページ】ELECTRIC MOBILITY IN GERMANY : TOTAL ACQUIRES CHARGING SOLUTIONS AND BECOMES THE OPERATOR OF A NETWORK OF 2,000 EV CHARGE POINTS
【参照ページ】TOTAL AND ADNOC SIGN STRATEGIC FRAMEWORK AGREEMENT ON CO2 EMISSIONS REDUCTION AND CCUS
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