【国際】HP、プリンター・カートリッジの回収・リサイクルプログラムを68ヶ国に拡大。流通改革も先導
電子機器世界大手米HPは10月21日、プリンターのインクカートリッジやトナーカートリッジの回収・リサイクルプログラム「プラネット・パートナーズ」の展開地域を68カ国に拡大すると発表した。新たにアルゼンチン、チリ、パプアニューギニア等が加わった。同プログラムでは、すでにカートリッジを世界全体で8.75億個回収しており、新たなカートリッジの原料としてリサイクルされている。
プラネット・パートナーズでは、使用済みのカートリッジを郵送、小売店での回収、集荷の3手段を通じて回収している。店舗では、ウォルマート、ベストバイ、オフィス・デポ等が回収店舗として参画しており、今回、「プラネット・パートナーズ」の専用ウェブページが開設され、消費者が回収フローの情報を得やすくなった。また、同社は、カートリッジを生産するために、ペットボトルを47億個、プラスチック製ハンガーを1.14億個のリサイクルも行い、サーキュラーエコノミー型に事業を転換しようとしている。
同社の代表的なプラスチック回収地域であるハイチでは、海洋プラスチックを回収し、カートリッジや同社のパソコンの原料にするためのリサイクル工場で、新たな洗浄ラインの整備に200万米ドルを投資。高品質のプラスチックを回収しやすくした。洗浄ラインの設置ではSTFグループと協働。また、リサイクル技術提供のLavergneや、ハイチでのプラスチック廃棄物回収ECSSAとも連携している。
同社の回収・リサイクルでは、すでに1,100人に雇用機会を創出しており、事業所の近くには学習施設も建設し従事者の子供の面倒を見られるようにもした。同施設には、HPのパソコンやプリンターも置かれており、IT学習もできるようになっている。
同社は、下流サプライチェーンとなる販売チャネルの流通企業にも、サステナビリティ・アクションを推進するプログラムも走らせている。HPは、7月に「HP Amplify」プログラムを発表し、流通チャネルのデジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進するため、戦略的にな流通チャネル改革を行う企業に対しインセンティブを支払うアクションを開始。それにより、販売個数を追うだけでなく、流通改革を推進する仕組みを導入した。
それと同時に、同プログラムでは、任意での追加プログラムとして「HP Amplify Impact」も用意。HP Amplify Impactでは、「Planet」「People」「Community」の3分野でのサステナビリティ・アクションを宣言することを求めており、今回HPは、HP Amplifyの参加企業うち、HP Amplify Impactにも参加する企業の割合を2025年までに50%以上にするという目標も設定した。
【参照ページ】HP Accelerates Drive to Reduce Ocean Plastics with Expanded Planet Partners Program
【参照ページ】HP Introduces Powerful New Global Partner Program