【イタリア】エネル、サステナビリティ・リンク・ボンドで680億円、同ローンで1250億円調達
イタリア・エネルギー大手エネルは10月13日から16日にかけ、サステナビリティ・リンク・ボンドで5億ポンド(約680億円)、サステナビリティ・リンク・ローンで10億ユーロ(約1,250億円)の資金調達を実施したと発表した。エネルは2019年9月に「SDGsリンク・ボンド」の名でサステナビリティ・リンク・ボンドを発行し、市場形成を牽引。今回はボンドとローンの組み合わせを実現してみせた。
サステナビリティ・リンク・ボンドの発行主体は、エネルのオランダ金融管理子会社Enel Finance Internationalで、エネルの信用保証が付いている。サステナビリティ・リンク・ローンはエネル自身による借入。
エネルは今回、双方の資金調達のため、新たに「サステナビリティ・リンク・ファイナンシング・フレームワーク」を策定。Vigeo EIRISがセカンドオピニオンを提供し、国際資本市場協会(ICMA)のサステナビリティ・リンク・ボンド原則(SLBP)と、英Loan Market Association(LMA)のサステナビリティ・リンク・ローン原則(SLLP)との整合性を確認された。
同フレームワークは、優遇条件発動のKPIとして、「新設電源に占める再生可能エネルギー割合」を設定。発動条件の基準値を示す「サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPT)」は、2022年12月31日までに「60%以上」と定めた。同数値は2020年6月30日の時点で51.9%。KPIの数値については透明性を確保するため第三者監査を受け、開示する。
サステナビリティ・リンク・ボンド発行では、シングルトランシェの7年債。注文は発行額の6倍も集まり、エネルによると利率を15bpsタイト化することに成功したという。主幹事は、バークレイズ、BNPパリバ、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ、シティ、クレディ・アグリコルCIB、ドイツ銀行、ゴールドマン・サックス、HSBC、JPモルガン、モルガン・スタンレー、ナティクシス、ソシエテ・ジェネラル。
サステナビリティ・リンク・ローンは、6銀行によるシンジケート・ローンで、融資期間は6年。
同社は今回、サステナブルボンドやサステナブルローンによる負債比率を2022年に43%、2030年には70%にまで伸ばす考えを示した。
【参照ページ】Enel successfully launches a 500 million pounds sterling “Sustainability-Linked bond”, the first of its kind on the sterling market
【参照ページ】Enel signed a 1 billion euro “Sustainability-Linked Loan” facility agreement