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【インタビュー】日本最大級の環境イベント「アースデイ東京」にかける想い、主催者インタビュー

ここ数年で“ソーシャルフェス”という言葉を耳にする機会が増えたと感じる人は多いのではないでしょうか?

日本最大級の環境イベント「アースデイ東京」は2020年で開催20周年を迎える、地球を想う若者たちの声からできた市民イベントです。実は現在日本各地で行われているソーシャルフェスはアースデイ東京に関わってきた人たちがそのノウハウを活かして開催されているものが数多くあるそうです。

今回はそんなソーシャルフェス盛り上がりの立役者となったアースデイ東京の事務局長を務めている河野竜二さんに「アースデイ東京」にかける想いと「アースデイ東京」がSDGs達成に向けてどのように貢献するのか、インタビューをしてきました!(インタビュアー:SDGs United 事務局 福永)

プロフィール:河野竜二
神奈川県出身、湘南在住。資格スクール運営・専門学校職員・学習塾教室長と教育業界10年間のキャリアで約2000人の進路指導、就職支援に関わり独立。企画団体「LIFE DESIGN VILLAGE」を立ち上げ「TOKYOジビエ」「罠シェアリング」「TOKYO REISM NIGHT」などをプロデュースし、地元湘南では職住近接を実現するための職業紹介「湘南WorK.」を立ち上げる。2017年から日本最大級の環境イベント「アースデイ東京」の事務局長に就任し、持続可能な社会の実現に向け奔走している。

福永:今回はお忙しい中、インタビューを受けてくださりありがとうございます!早速ですが、アースデイ東京とはどのようなイベントなのでしょうか?

河野:市民発のイベント「アースデイ」は、地球にあるさまざまな問題を提示し、持続可能な地球を想像し、未来の社会を考える場として、肩書き・年齢・性別・人種・宗教を越えて対話ができる場所であり、行動できるプラットフォームです。

そもそも「アースデイ」は1970年にベトナム戦争に反対したアメリカの若者たちが声をあげたことから、2,000万人以上が行動を起こしたことがはじまりです。この若者たちのアクションはアメリカの環境庁の設置や環境法の整備に影響したほどのムーブメントになりました。これをきっかけに「地球のことを考え行動する日」として 4月 22日に設定された日が「アースデイ」です。

永:なるほど…アースデイは長い歴史を持ち、かつ多くの人がソーシャルアクションを起こすきっかけとなる場なんですね!アースデイ東京には毎年約100,000人もの人々が訪れるとお聞きしたのですが、どんな人にどのようなメッセージを届けたいのでしょうか?

河野:アースデイ東京に来る人は環境意識がものすごく高い人もいれば、環境について勉強しに来ましたという人もいます。アースデイ東京は環境アクション・ソーシャルアクションの入り口であって、イベントに来てくれた人が何かを持ち帰ってもらえたら良いなと思っています。

200以上の出店があってSDGsの目標全てをカバーしているので、イベントに来てくれた人が自分の興味のあるテーマを見つけてイベント後に自分で深めてもらえたら良いですよね!アースデイ東京に参加して、そこで自分の興味のある分野を見つけてもらって、その分野を一年かけて学んでいく…みたいな役割をアースデイ東京が果たせたら嬉しいです。

福永:環境アクション・ソーシャルアクションの入り口…アースデイ東京は一年のうちの“新学期・入学式”みたいなイベントですね。ちなみに、SDGs というワードが出ましたが、アースデイ東京では特にSDGsのどの分野に力を入れているのでしょうか?

河野:やはり、アースデイ東京では多くのお店が出店するので、SDGsのゴール12番“つくる責任・つかう責任”に力を入れています。消費行動の中で意識を変えてもらいたいですし、今後も力を入れていきたいと思っています。

また、今年は“プラスチックシフト”という「地球 1 個分の暮らし」を実現するために使い捨てプラスチックを手放す呼びかけを行いました。出店者に関してはプラスチック製のゴミ袋・カトラリー・ストローの使用禁止。来場者に関してはマイボトル・マイ食器を持ってくるとイベント会場内で使える50円分のチケットをもらえる仕組みを作りました。

福永:河野さんは2017年からアースデイ東京の事務局長に就任したとのことなのですが、その経験を経て自身の中で何か環境に対しての想いだったり、変化した部分はありますか?

河野:実は僕、アースデイに入る前はそんなに環境意識が高い方ではなかったんです(笑)ただ、アースデイのメンバーがすごく環境意識が高くて、周りにいるメンバーたちの影響を受けて日々の生活の消費が明らかに変わっていきましたね。

あとは“色々なものが繋がっている”ということを感じるようになりました。私はもともとサーフィンをやっていたので、海と森がつながっている感覚はあったのですが環境活動を古くから支えているC.W ニコルさんの話を聞いて、より一層その意識が強くなりましたね。点が線に繋がることで竹林整備の活動・リバークリーン(川のゴミ拾い)など自分が日常の中でできるアクションの幅が広がってきました。

福永:活動の幅が広がるとまた新たな繋がりが生まれ、可能性が広がりますね!最近、誰でも気軽に参加できるようなソーシャルなイベントが盛り上がりを見せているような風潮があるのですが、その要因にはどういったものがあるのでしょうか?

河野:アースデイ東京は幅広いテーマを取り扱う包括的なイベントですが、最近だと“テーマに沿ったソーシャルフェス”が増えてきています。例えば、近年ものすごい盛り上がりを見せているのは多様性・LGBTがテーマの“レインボーパレード”。今年は僕も参加してきたのですが人だらけで歩けないくらいの盛り上がりでした(笑)他にもGreenroom Fesという”save the beach” 海を守るというテーマのもと開催されているイベントは“サーファー”をという明確なターゲットがいて、コンセプトもわかりやすいです。海系のアーティストが世界中からやってきて、おしゃれでかっこいいから、若者が集まります。

これらのイベントが盛り上がるのにはメディアの力が影響していること、あとはイベント自体がすごくおしゃれで、参加すること自体がスタイリッシュでファッショナブルなイメージを受けますよね。

福永:SDGという言葉は未だにどこか遠い世界の話のように聞こえてしまう…そんな人々に向けて、SDGs達成のために社会問題を自分ゴトにして、アクションしていくための最初の一歩を踏み出すためのヒントがありましたら教えてください!

河野:自分が好きだと思うこと・楽しいなと思うことに踏み込むことが大事なのではないでしょうか。好きだからこそアクションにつながる。

例えば、自分だったら、サーフィン。海に通い続けていると、砂浜が汚れたら気がつく。その状況を見て、なんとかしなきゃ!という意識が生まれるーといった具合に好きなことに踏み込んで取り組んでいると景色が変わったり、見えてくるものが変わってきます。漠然と「SDGsやらなきゃ!」となると、何から始めればいいのかわからなくなりますよね。改めて自分をゆっくりと見つめ直して、自分にできることを探していく中ではじめの一歩が見つかるのだと思います。

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