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【SDGsインタビュー】(後篇)”真のパートナーシップ”で変える未来、世界と日本のリアルに迫る- 環境省中井統括官インタビュー

(後編)”真のパートナーシップ”で変える未来、世界と日本のリアルに迫る- 環境省中井統括官インタビュー

【パートナーシップで描く未来】

福永:パートナーシップを創り上げていく上で何か心がけていることはありますか?

中井:ボトムアップ型の視点を大切にしている。まず「自分は組織の人間です」とか「組織のミッションで今この部署にいるからこの役割をしています」というところから入ってしまうと、そこと違うものとの連携がしにくいんだよね。

今は地殻変動が起きるような、みんなで生き残り策を探って作っていくという時代。「私たちは森里川海の恵みに支えられて毎日生活をしている。みんな生きとし生けるものです。」といことをベースの感覚に持たないと真のパートナーシップってできないと思っていて。そこに訴えることで共感してくれる人が増えていく。

一気に大きいものが生まれて変わっていくわけではない。根っこのベースの共感を持ったすごく快適で自然で無理のない小さなプロジェクトを回していく。そうすることで似たような大きなプロジェクトもうまれてくる。そうして新しいマーケットを作っていくと。

【地球も自己復元能力を持っている】

福永:中井統括官はいくつものプロジェクトに取り組んでいらっしゃるのですがその中で共通している核や芯というものはどういったところにあるのでしょうか?

中井:ベースは自然のパワー。自然は脅威であると同時に自分たちを支えている、自分たちも自然の一部であると。僕が強く主張している「自然に触れる」ということは大人も子供も一番ベースになっているところで、僕も夏に滝浴びをして自分自身を浄化したりする。そうすると自然の宇宙のパワーが自分に一気に入ってくる。そういうことって自分の体の細胞が全部覚えているんだよね。

それを一年後にまた浴びる前に毎日僕はシャワーを浴びるときに追体験をする。根っこを自然の恵みが回っている中に自分がいるという状況を感覚として一度持っておいてそれを疑似体験のような形で戻すということもやっている。

今地球は病気なんだけど、これは絶対に治るともともとの健康な状態に体質改善できるという確信を持ってやらなければいけないと思っている。体の問題も全部同じだと思っていて、病気は自分が作っていると、だから病気も治ると思えば絶対に治ると。いい状況を思い浮かべればいい方向になると思って、大学生の頃からメガネをしていたけれどメガネをかけるのをやめて0.1くらいの視力が0.4くらいまでに上がってきている。

福永:「私たちは自然の一部である」ということは当たり前のことですが、このことを本当に意識できている人は意外と少ないと感じます。中井統括官が「私たちは自然の一部である」と気づいたきっかけはどのようなものだったでしょうか?

中井:それには生い立ちということに尽きるんだけど、僕は高度成長期の東京葛飾育ちにも関わらず自然の感覚というのが身についていた。田んぼでザリガニを捕ったり、夏や冬は群馬県で過ごしていて、滝浴びをしたり、向こうの友達とひたすら川遊びをしていた。夏に東京にいると「川の水が呼んでいる!」と感じるくらい水の感覚というのが自分に染み付いている。

福永:幼少期の原体験があるからこそ、自然の恵みを大事にするという心が生まれたんですね。

中井:ただ、必ずしもそういった幼少期の体験が必要なわけでもなく、大人になってから自然の良さを体で感じてライフスタイルを変えている人もいるので人それぞれだと思う。僕の場合は小さい時の体験があった。役所という世界に入ったわけだけれど、時代の状況と自分がしてきた体験とが合致して森里川海というプロジェクトもやるようになった。

福永:森里川海プロジェクトをやっている中で中井統括官が気がつかされたことや学んだことがあれば教えていただきたいです。

中井:学びは、「森里川海プロジェクトのアンバサダーのみんながとにかくすごい!」という気づきだよね。みんな鋭い感性を持っているし発信力もすごくて、仲間の輪が広がっていて、一緒に世代も超えて、徳さんと呼んでくれるくらいの関係で大事なことを語って一緒に行動をしたりするということがすごいことだと思う。環境省の中でも若いメンバーがいるのでぜひそのメンバーともコラボして欲しい。国だとか中央の政府だとか敷居が高いとか関係なく、一生活者として、一人の人としておつきあいさせて頂き、それが政策になったり民間の事業になったりということができる。夢がある話ですよね。

写真:Freedom beach 2019。森里川海プロジェクトチーム長として全国各地のイベントでトークセッションに登壇する。

福永:様々な方面でパートナーシップを生み出していると思うのですが、これからこのようなところで連携を生み出していきたいというアイデアはありますか?

中井:森里川海の文脈でいうと食とかエコツーリズムなど、一人一人の体の健康にフィードバックする健全なマーケットとして見えるようにするっていうようなことは森里川海のアンバサダーでできるよね。災害のところはやっぱりインフラの予算を使わなければいけないので環境省だけではできないもの。そっちも連携して進めていきたい。ライフスタイル系についてはファッションなど世の中の方向がわかりやすい形で発信していくと世の中ってこういう方向を向いているんだって見えるじゃん。だからライフスタイル、衣食住全体は押し出していきたい。野遊びのような体験も含めてね。

究極、医療費が大変だとか、病気をしていて薬漬けだとか、そういうのも発想を変えなければいけないと思うんですよね。それで社会保障が維持できないみたいな話になっているわけだから。自分が健康で快適でワクワクするというライフスタイルが、地球にもいいんだということが見えてきている状態だから。そこを広げる。

福永:最後に、私たちがよりサステナブルなライフスタイルにシフトしていくためにできるアクションについてのアドバイスをお願いします。

中井:ITやAIが進んでいく中で、うまくそれを活用すること。先端と言われるブロックチェーンや電子マネーなどスタートアップの人やベンチャー系の人と一次産業系の世界とオープンイノベーションを起こしていくなど。けれども根っこのところに自然の恵みを体で知るということをベースにして欲しいんだよね。その中で安全なものを食べているかとか、綺麗な水や空気があるのかとか、そういう衣食住のところをベースにしてみんなでやっていく。気持ちいとか美味しいとか歌を歌うとかそういう類のことから生み出していこう。

福永:本日はお忙しい中貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

【SDGsインタビュー】(前編) ”真のパートナーシップ”で変える未来、世界と日本のリアルに迫る- 環境省中井統括官インタビューを読む

SDGs UNITEDはつなげよう、支えよう森里川海プロジェクトに賛同しています。

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